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こんにちは!シンス株式会社の越水です。
フリーランスとしての働き方を振り返るシリーズ6回目は、受注単価についてです。はい、だんだん生々しい話をしていこうと思っています。
目次
フリーランスWeb制作者にとって単価設定は最重要項目!
商売をするうえで重要視する数字は人それぞれにあると思いますが、私自身は単価設定を最重要視してやってきました。
ホームページ制作における単価設定とは「1ページあたり制作費いくら」とか「デザイン1案作ったらいくら」というものが挙げられますが、その金額は人日単価をもとに決まってきます。
人日単価というのは自分やスタッフが1日稼働したとして受け取ることのできる金額で、ホームページ制作のような労働集約型のビジネスでよく使われる金額設定の方法です。
1日8時間がベースの労働時間として、8時間働いて3万円受け取れるならば1人日3万円、4時間働いて2万円受け取れるのならば1人日4万、という考え方です。
単価設定を間違えると全てがうまくいかなくなる。
私はこの人日単価を適正に保つことを最優先としてこれまで仕事をしてきました。
その理由としては、単価設定を誤ってしまうと商売全てが狂ってしまうと考えているからです。
フリーランスは良くも悪くも仕事とプライベートの境目が曖昧なワークスタイルです。
単価設定をあまり低くしてしまうと、仕事の時間がすぐにプライベートの時間へ侵食してくるようになります。プライベートの時間をしっかりと確保しないとパフォーマンスの高い仕事を保てず悪循環を引き起こすので気をつけたいところです。
実際に安易な値引きがどのような状態を作りだすか、ちょうどとある勉強会で腹落ちした例を学んだのでご紹介します。
安易な値引きが引き起こす状態をケーススタディする。
1杯500円で売っているラーメン。このラーメンにかかる原価が1杯あたり200円だったとき、ラーメン1杯売ったときの粗利は300円、粗利率60%です。
500(販売価格) − 200(原価) = 300(粗利)
このラーメンを200杯売ると売上が10万円、粗利額は6万円になりますね。
それでは、例えばこのラーメン屋の店主が「もっとお客さんを増やしたい」と考え、普段よりも2割引でラーメンを売り始めたらどうなるでしょうか。
500円だったラーメンが2割引なので1杯400円の販売価格になります。
材料費など原価は変わらず1杯あたり200円なので、ラーメン1杯売ったときの粗利は次の式のように200円、粗利率50%です。
400(販売価格) − 200(原価) = 200(粗利)
最初と同じ200杯を売った場合の粗利額は6万円から4万円へダウン、実に34%も粗利が減っています。
値下げをした分、お客さんが増えるとしても、何杯売ればもとの粗利額を保てるのでしょうか。
値下げ後の粗利率は50%なので、もとの粗利額6万円を保とうとしたとき、売上は12万円必要になります。
60000(粗利) ÷ 0.5(粗利率) = 120000(売上)
400円の販売価格で12万円売り上げるならば300杯、つまり当初の1.5倍のラーメンを売らなくてはなりません。
120000(売上) ÷ 400(販売価格) = 300(必要な販売数)
お客さんを増やしたくて2割の値引きをした結果、同じ利益を稼ぐのに1.5倍の労働コストを生み出す結果になりました。
場合によっては増えたお客さんに対応するために、新たにアルバイトを雇う必要も出るかもしれません。すると追加の経費も考慮しなくてはいけませんね。
こうしていつのまにか利益が出しにくい構造にハマってしまうことがあるので安易な値引きは避けたほうが良いでしょう。
フリーランスとして持続可能な働き方を維持するなら適切な単価を設定すべき。
ケーススタディで示したように、単価を下げるということはどこかに無理が生じるケースが多いです。
特に私たちが行うホームページ制作という労働集約型のビジネスでは、値引き販売することが労働時間の長時間化や、スタッフが余裕を持つことができない状況に直結してきます。
仕事とプライベートの境目があいまいなフリーランスならなおさら、適切な単価で仕事を請けることを意識しておかないと生活が破綻してしまいます。
フリーランスは収入が不安定なので「常に仕事がほしい」という気持ちは理解できる(私も同じ気持ちです)のですが、「これより安い案件はうけない」という線引をしておかないと簡単に足元を見られますし、やりがいのある案件を選べなくなってしまいます。
ここまで書いてきたような理由から、私は単価の設定をとても重要視してフリーランスとして仕事をしてきました。単価の設定とキャッシュフロー、この2点は意識しすぎても損はないと考えています。
とはいえ私もフリーランスなりたての頃はかなり低い単価で活動していました。
次回はどうやって単価を上げてこれたのかを書きたいと思います。
それではまた!(フリーランスの働き方について聞いてみたいこと、リクエスト募集中です!)
ホームページ制作だけでなく、SNSやブログを活用したWebマーケティングのご提案も得意としております。