シンス株式会社の越水です。
時々「Webデザイナーになりたい」「Webサイトを作れるようになりたい」という学生や転職希望者とお話をすることがあります。
私自身も独学してきたのでわかるのですが、Web制作を学ぶにあたり「まず何から始めたら良いのかわからない」という方は多いでしょう。
また、Web制作の専門学校に通ったとしても、正直な話し、それだけでは実務の即戦力としてはスキル不足というケースは少なくありません。
専門学校はあくまできっかけに過ぎず、卒業後も継続的に自分自身に課題を与え続け、自発的な学びを続けられるかが大事だと思います。
今回は未経験の方がホームページ制作を学ぶときに意識して欲しいことを書いてみようと思います。
目次
1日24時間の中でいかに学ぶか?を意識する
当然ですが1日24時間という時間は誰にでも平等に与えられるものです。そして時間はお金よりも優先される大事な資産です。
睡眠と食事をとり、仕事や生活があって、親しい人と過ごす。そのなかでしっかりとホームページ制作の学習の時間を設ける。
そのために重要なのは優先順位です。
あなたが本気でWeb制作について学ぼうとするのであれば、それなりの時間を投資しなくてはなりません。
そのSNSやネットサーフィンに費やす時間は、本当に学習よりも優先すべきものでしょうか?
その飲み会は、本当に1つでも多くデザインをつくること、1行でも多くのコードを書くことよりも優先すべきものでしょうか?
本気で学ぶと決めた以上は全ての物事を秤にかけて、優先すべきことに時間を使いましょう。
もちろんホームページ制作を学ぶよりも大切なことはたくさんあります。
要はあなたが大事だと思うことに時間を使わない限りはあなた自身が求めるものは手に入らないということです。
トレンドの移り変わりが激しいこの業界、のんびりとしている余裕はありません。
まずはショートカットキーを覚えよう
次は限られた時間のなかで効率よく学ぶことを考えなくてはいけません。
使っているツールやサービスのショートカットキーを覚えることはコストパフォーマンスが大きく、後々に与える影響が大きいです。
マウスとキーボードを行き来する1度の動作、タイピングで行う1度の打鍵、そうした細かい動作を短縮していくことがスピードの速さにつながります。
作業スピードが早ければ他の人が1時間かける学習を、同じ時間で2度繰り返すことができます。どちらが早く成長するかは明らかでしょう。
しかもこれは能力の問題ではなく、単に知っているか知らないかだけの差なので、調べて身につけない手はありません。
ブラウザとエディタのウインドウの切り替えをマウスで行っていたりしないでしょうか?デスクトップを確認するときは?ウインドウを閉じるときは?
まずは使っているPCを操作するショートカットキーを覚えましょう。
次はブラウザを操作するショートカット、その次はPhotoshopやillustrator、エディタといった各ツールのショートカットを覚えればかなり制作スピードが上がってくるはずです。
こうした考え方は「より扱いやすいツールはないか?」「もっと作業を短縮できる制作方法はないか?」という考えにも通じていきます。
最初は技術書で学ぶのがおすすめ
これは向き不向きあると思うのですが、個人的に初めは入門レベルの技術書を使うのが学習しやすかったです。
今はプログラミングやマークアップについて無料で学べるWebサービスも多くありますが、初学者はそうしたものを利用するよりは、やさしい技術書を繰り返し反復したほうが良いと思っています。
理由はいくつかあり、
- 本なら時間がないときは拾い読みだけでも出来るので繰り返し学習に向いている。
- 適切な技術書さえ選べば実際に手を動かしてステップ・バイ・ステップで体系的に制作の流れを体験できる。
- ある程度の量の情報に触れるという意味では書籍のほうが時間コストが結局少なくて済む。
- ページをめくる、情報に手で触れる、という行為は記憶の定着を助ける(と、個人的に思っている)
などが挙げられます。
技術書の選び方もコツがあったりするのですがそれは別の機会に。
ここでは初学者向けにHTML、CSS、JavaScriptのおすすめ書籍を紹介しておきます(私が実際に読んだものなので古いものもあります)。
どれも内容に沿って手を動かしていけばホームページが出来上がる優れた本です。
よくわかるXHTMLとCSSによるWebサイト作成 (よくわかるトレーニングテキスト)
よくわかるゼロからはじめるJavaScript (よくわかるトレーニングテキスト)
この「よくわかるトレーニングテキスト」シリーズは、全くの未経験者がゼロからホームページ制作を学ぶときにおすすめです。本当にやさしい内容から1つずつ丁寧に説明されているので安心できる書籍です。
HTML5&CSS3デザインブック (ステップバイステップ形式でマスターできる)
もう少しステップアップしたい場合にはこの辺の本をなぞってやっていくと良いでしょう。レスポンシブに対応したCSSや文書構造にそったHTMLの書き方も学べる良書です。
HTMLとCSSが理解できるようになると次は少し動作があるWebサイトが作りたくなると思います。そんな時はこの本がおすすめです。イラストを交えてわかりやすくjQueryについて学ぶことができます。
技術書はどれだけ自分に合ったものを見つけるかが重要です。Amazonの評価や、実際に書店で中身を確認してレベルにあったものを選びましょう。
自分にあった技術書が見つかったらその本の内容に沿って3〜5回、繰り返し手を動かしてみましょう。学習した内容が自分の中に腹落ちするまでは反復が重要です。
こうした技術書は1冊3,000円程度するものも多くありますが、自分でホームページ制作を行えるようになったときの人生の可能性を考えると安い投資です。
勉強会に積極的に参加しよう
近くでホームページ制作やWebデザイン、プログラミングの勉強会が行われているならば積極的に参加すると良いでしょう。
自分とプロの方々の知識やスキルの差はどれくらいあるものなのか、勉強会に参加することで見えてくるものが多くあるはずです。
初心者だからといって遠慮する必要はありません。この業界はまだ歴史が浅く、プロで活躍している人たちといえど日々模索のなかで仕事をしています。
逆に初心者に教えることが勉強になる場合も多いので、あなたなりの役割を果たせればそれで良いと思います。
インターネットや技術書のなかだけでは触れることができない、たくさんの知識と刺激に触れましょう。
毎日の情報収集を日課にしよう
ホームページ制作会社で働いている方でも、これが出来ていない人は意外にいます。
トレンドの移り変わりが早いこの業界。先程も書いたようにまだ歴史が浅く、より良い方法を誰もが模索している刺激に満ちた世界です。
だからこそ日々のインプットが大切です。
エンジニア・デザイナー向けのブログやニュースサイトはたくさんあるので、好みのものをRSSに登録して日々情報収集しましょう。
ただ、こうしたニュースサイトは漫然と眺めていても徒に時間を浪費してしまうので、「HTMLやCSSのコーディングに関わる役に立つ情報はないかな?」など、テーマと目的意識を持って情報に触れることが大切です。
わからないことを検索で調べる時はキーワードの選び方を工夫する
ホームページ制作を学習していると、毎日疑問や不明点にぶつかります。そんな時はGoogleなどの検索を利用すると思いますが、その調べ方もコツがあります。
検索で求める情報を得る、というのもひとつのスキル。
エラーメッセージをそのまま検索にかける、というのは初心者はなかなか気づかない点だったりします。
検索キーワードにもっと別の言い回し、適切なものはないか?を考え、必要な情報に辿りつくまで粘り強くキーワードを変えてみましょう。
わからない部分は出来る人に聞きましょう
「わからなければ人に聞く」
言われてみれば当たり前のことなのですが、「気を遣ってなかなか人に聞けない」という方はいるでしょう。
ただ、答えを知っている人からすれば「早く聞いてくれれば良かったのに」という些細な問題であるケースも多いです。
もちろん事前にある程度調べてみる、教わった内容は振り返りできるようにブログやメモに記録しておく、といった配慮はあったほうが良いと思います。
でも、調べても考えてもわからないものはわからない。他の人に助けを求めるのは情けないことでもなんでもありません。
もし身近に相談できる方がいないのであれば、勉強会やイベントに参加してクリエイター同士の横のつながりを作ることから始めましょう。
他のサイトを参考にして、デザインや構築を学ぼう
幸いホームページ制作というスキルは、ブラウザを開けば無数の教材がインターネット上に溢れています。
自分がカッコ良いと思うサイトのデザイン、動きを再現したいインタラクションなど、どうやって作られているのかが気になればブラウザでソースコードを覗けばすぐに答えに近づけるのです。
そうやってすでにインターネットで公開されているWebサイトを参考に、自分なりにプログラムやマークアップの意図を読み解いていけばスキルアップに繋がるでしょう。
公開されているWebサイトはどこかの制作会社がどこかのクライアントに納品をしたひとつの成果物です。
あなたが何より学びたい制作のノウハウはすぐ目の前にあるのです。そこから学ばない手はありません。
まとめ
だいぶ長くなってしまいましたがどれも私自身がホームページ制作を独学してきた中で学んだ大切な考えです。
そして最後に、これは必ず忘れないでほしいという点がひとつあります。
つくる楽しさを感じ続けてください。
初めて書いたHTMLでブラウザにテキストが表示されたときの喜びを忘れないでください。
初めて書いた1行のプログラミングが「Hello, World!」を表示させたときの感動を忘れないでください。
そして「今よりもっとカッコいいものをつくる!」という気持ちを忘れずに、日々の学習に励んでください。
それでは良いWebクリエイターライフを!
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