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ホームページ制作に必要な “戦略” とは?

山下 侑一郎

山下 侑一郎

ホームページ制作の戦略

あなたのホームページに、“戦略” はありますか?

ホームページのデザインやコンテンツを考える前に、きちんと “戦略” を立てていますでしょうか?

この記事では、「ホームページ制作に必要な “戦略” とは何か」「なぜ戦略が必要なのか」「どう戦略を立てるべきなのか」を、マーケティング・プランナーの山下(@YUICHIRO_Ya)が解説しています。これからホームページを制作しようとされている、あるいはリニューアルを検討されている中小企業の経営者や担当者の方々の参考になれば幸いです。

なぜ戦略が重要なのか?

中小企業の経営者の方々と話をしていると、ホームページを制作する際に、「戦略設計」をあまり重視していない傾向があるように感じます。

明らかに戦略が間違ったホームページになっていたり、そもそも戦略がなかったり。とりあえずホームページを作りました、というケースも少なくありません。

そもそも、ホームページ制作に戦略は必要なのでしょうか? 戦略がないとどうなるのでしょうか?

例えるなら、戦略のない(あるいは戦略が悪い)ホームページとは、高所恐怖症の女の子をデートで東京スカイツリーに連れて行くようなものです。せっかくデートをしてもらえた(ホームページを見てもらえた)のに、好意を持ってもらえないどころか、逆に嫌われてしまうリスクさえあるのです。

悪い戦略
戦略が悪いホームページの例え

ホームページを制作するには、それなりの費用が必要です。それなりの費用を投じるのであれば、それに見合った成果があるべきです。しかし戦略が悪ければ、成果を得られないどころか、自社のビジネスにマイナスのダメージを与えかねないということです。

さらにたちが悪いことに、戦略(見晴らしがいいところに連れて行く)が間違っている場合、戦術(日本一高い東京スカイツリー)が良ければ良いほど、マイナスのダメージは大きくなってしまうのです。

戦略のミスは戦術ではカバーできない。戦略が重要な理由は、ここにあります。

そもそも戦略とは?

良い戦略の立て方の話をする前に、そもそも戦略とは何かを定義しておきたいと思います。

いろんな定義がありますが、私は以下のように定義しています。

戦略の定義
戦略の定義

戦略とは、目的を達成するための大局的な計画(基本方針)のことです。

つまり、「戦略」を立てるためには、まず「目的」を明確にしなければならないということです。しかし、これが意外と簡単ではありません。

ホームページ制作の目的としてよく挙げられるのが、「売上の拡大」「ブランディング」「商品の認知獲得」など。気持ちはよくわかりますが、どれも定義が曖昧なため、「目的」として機能するとは言えません。

ホームページ制作の目的設定

目的を明確にするコツは、ホームページを制作することによって「誰をどうしたいのか?」を定義することです。

誰を?

ここでいう「誰を」とは、「ターゲット」とも言えますが、この段階では、それほど深く定義する必要はありません。最低限、下図のA〜Lのうち、どこに相当する人たちにホームページを見てほしいのかを明確にしておきましょう。

ホームページの対象者
ホームページの対象者は誰?

例えば、顧客は顧客でも、すでに商品やサービスを購入したことのある「既存の顧客」なのか、購入を検討中の「顕在的な顧客」なのか、今はまだ検討していないが今後検討する可能性のある「潜在的な顧客」なのかで、分けて考えるのがポイントです。

ちなみに、企業のホームページ(コーポレートサイト)の対象者としてもっとも一般的なのは、「E:顕在的な顧客」です。「見込み客」とも言います。その他、「A:既存顧客」「B:従業員」「F:求職者」などを対象とすることもあります。

どれかひとつに絞れない場合は、複数の対象者を設定しても構いません。ただしその場合は、各対象者の重みづけを明確にしておくようにしましょう。(顕在顧客75%:求職者10%:株主5% など)

どうしたい?

対象者が決まったら、その人たちをどうしたいのか(どうなってほしいのか)を明確にします。

このとき、「ブランディング」や「ファン化」など、定義が曖昧な言葉を使ってはいけません。また「売上の拡大」も、目的としてよく挙がりがちですが、ECサイトでもない限り、ホームページだけで直接的に売上の拡大を行うことは不可能です。あくまで、「対象者がホームページを見た結果(その直後に)、どういう状態になってほしいのか」を明確にするのです。

例えば、以下のようなものです。

  • 競合商品と比較検討している見込み客に、自社商品の優位性を理解してほしい。
  • サービスの導入を検討している見込み客に、資料請求してほしい。
  • 既存顧客の悩みを解決し、顧客満足度を高めたい。
  • 転職希望者に、自社の魅力を知ってもらい、求人に応募してほしい。 など

以上の流れで「目的」が定まったら、その目的を達成するための「戦略」を考えることになります。

戦略設計のステップは、その目的の対象者によってやや異なるため、今回はもっとも一般的な「E:顕在的な顧客(見込み客)」の場合を想定して話を進めます。

良い戦略とは何か?

具体的な戦略設計のステップに入る前に、「良い戦略」とはどのようなものかを理解しておく必要があります。

世界的な戦略の研究者であるリチャード・P・ルメルトによる名著『良い戦略、悪い戦略』の中では、このように語られています。

良い戦略とは最も効果の上がるところに持てる力を集中投下することに尽きる。

リチャード・P・ルメルト『良い戦略、悪い戦略』より

また、ルメルトはこうも語っています。

戦略を立てるときには、「何をするか」と同じくらい「何をしないか」が重要なのである。

リチャード・P・ルメルト『良い戦略、悪い戦略』より

平たく言えば、あれもこれもと欲張っちゃダメということです。

ホームページに文字数やページ数の制限はありませんが、当然予算には限りがあります。そして何より、ホームページの訪問者が目にする場所、記憶に残る印象は、極めて限られているのです。

もちろん予算が許すのであれば、ページ数や情報量を増やすこと自体は悪いことではありません。しかし、何を一番伝えたいのか、誰に一番伝えたいのか、どんな行動を一番してほしいのか、その最優先事項を明確にしておくことが大切です。

このことをしっかりと頭に留めたうえで、戦略設計を進めるようにしましょう。

Step1:ターゲットを深く理解する

戦略設計は、目的で定めた対象者、つまり「ターゲット」の深堀りから始めます。

対象者が「E:顕在的な顧客(見込み客)」であれば、どんな人に商品・サービスを買ってほしいのか、どんな人であれば買ってくれそうなのかを明確にしていくのです。

まずは属性を明確にします。BtoCの商品なら、年齢や性別、居住地、年収、家族構成など。BtoBなら、ターゲット企業の業種、所在地、売上規模、社員数、窓口となる担当者の役職などを定義します。

ターゲットを絞ると買ってくれる人が減ってしまうような気がするかもしれませんが、ターゲット外の人を切り捨てるわけではないので安心してください。あくまで、「メインとなるターゲット」を定義することで、ターゲット理解を深めることが目的です。

属性が定まったら、以下の3つの問いを中心に、ターゲット顧客の特徴や心理を探っていきましょう。

1. なぜこのカテゴリーの商品を買うのか?

言い換えると、このカテゴリーの商品を買うことで、どんな課題を解決しようとしているのか、あるいは、何を得ようとしているのかを考えるのです。

2. このカテゴリーの商品を選ぶときのポイントは?

値段なのか、デザインなのか、機能なのか、品質なのか。ターゲット顧客が商品を選ぶ際にチェックするポイントを把握します。

3. 購買にいたるプロセスは?

検討を始めるきっかけは何か、どこで商品を知るのか、どうやって情報収集するのか、だれと相談するのかなど、購買にいたる一連のプロセスを明らかにします。

ターゲット顧客をどれだけ深く理解できるかが、戦略の良し悪しに大きく影響しますので、たっぷり時間をかけて考えるようにしましょう。その際、必要であれば何人かの既存顧客にインタビューを実施してみるのもおすすめです。

Step2:買ってもらう商品を明確にする

提供している商品・サービスがひとつしかない場合は考えるまでもありませんが、複数ある場合は、どれを一番買ってほしいのか、明確にしておく必要があります。

もちろん、全商品をホームページ上に掲載すること自体は問題ありません。しかし、すべての商品をただ羅列してしまうと、買う側もどれを買っていいのか迷ってしまいます。必ず強弱をつけるようにしましょう。

このとき、企業側が「売りたいもの」という視点だけで選んではいけません。ターゲット顧客が「買いたいもの」は何かという視点が大切です。

「ターゲット顧客は本当にこの商品を購入すると思いますか?」

この問いに自信をもってYesと答えられないのであれば、「ターゲット」か「商品」のいずれかを再考したほうがいいでしょう。

また、もうひとつ大切な視点があります。

それは、「リピートやクロスセルにつながりやすい商品を選ぶこと」です。ターゲット顧客が、まず最初に買いやすく、かつ継続的な購入につながりやすい商品を “入り口” にすることで、顧客のLTV(Life Time Value: 顧客生涯価値)を高める効果があるからです。

Step3:競合を理解する

「誰に何を買ってもらうのか」が決まったら、次は、「そのときに競合となる商品・サービスは何か」を明確にします。

もちろん、競合が存在しない商品や、購入前にまったく比較検討されない商品も存在します。しかし、今やそういった商品は稀で、多くのカテゴリーにおいて比較検討はつきものだと言えます。

まずは、ターゲット顧客の気持ちになって、競合のホームページを見てみましょう。競合商品のどんなところに魅力を感じるか? または逆に、どんなところにネガティブな印象を持つか? ターゲット顧客になりきって “比較検討” してみるのです。

ちなみに、競合は同じカテゴリーの商品だけとは限りません。ターゲット顧客が自社の商品を買わないとしたら、そのお金を何に費やすか? その対象こそが、本当の “競合” だと言えます。

Step4:選ばれる理由を明確にする

「ターゲット顧客」「商品」「競合」が明確になったら、次は「ターゲット顧客が、数ある競合商品ではなく、自社の商品を選ぶ理由は何か?」を考えます。言い換えると、「ターゲット顧客が競合ではなく自社の商品を選ぶ確率を上げるためには、この商品がどういう商品だと伝えるのがもっとも有効か」を考えるのです。これこそが、戦略を立てるうえで肝になる部分です。

選ばれる理由
自社商品が選ばれる理由を考える

例えば、自動車メーカーのホームページで、その車の選ばれる理由が「安全性能」だったとします。その場合、ホームページ上でもっとも印象づける必要があるのが「安全性能」だということです。

ホームページを見たターゲット顧客の頭の中に、「この車って、安全性能が高い車だよね」というイメージを確実に残すことが重要です。

そしてこれこそが、本来の意味の「ブランディング」なのです。

Step5:集客方法も考えておく

中小企業のホームページ制作でよくある勘違いは、「ホームページを作れば、たくさんの人が見てくれる」というものです。

ホームページを作っただけでは、「まったく人通りのない場所に店舗を建てただけ」のような状態です。何もせずにたくさんの人が来るなんてことは、まずありません。

制作したホームページをたくさんの人に見てほしいのであれば、広告やSNS、SEO(検索エンジン最適化)、閲覧数が多い他サイトからの外部リンクなど、何らかの「集客施策」が必要になります。特に、目的設定の「誰を?」の図で、一番下の「潜在的な」の行を選んだ場合は、かなりの広告投資が必要になります。

「E:顕在的な顧客(見込み客)」を選んだとしても、何もせずにホームページに来てくれるのは、すでに会社名や商品名を知っていて、それらのキーワードで自ら検索してくれる人だけだと思ったほうがいいでしょう。そして一般的に、そういった人たちの数はそれほど多くありません。

では、どのような集客施策に力を入れるべきか?

顕在的な顧客がターゲットなのであれば、検索広告(リスティング広告)やSEOが有力候補となりますが、他にもさまざまな施策候補があり、何が最適かは、ターゲットや業種、競合の状況などによって変わってきます。

ホームページの集客施策
ホームページの集客施策の例

これらの集客施策については、本記事の趣旨と異なるため詳述は避けますが、覚えておいていただきたいのは、どういった集客施策に注力するかによって、ホームページがどうあるべきかも変わってくるということです。つまり、ホームページを制作する際は、必ず集客方法もセットで考えなければならないのです。

以上が、私が考えるホームページ制作に必要な戦略設計のステップです。

戦略を戦術に落とし込む

まとめると、戦略設計とは以下の5つを明確にすることだと言えます。

  1. ターゲット顧客はどんな人か
  2. その人にどの商品・サービスを買ってもらうのか
  3. そのときに競合となる商品は何か
  4. ターゲットが競合ではなく自社の商品・サービスを選ぶ理由は何か
    (= 選ばれる確率を上げるためには、何を伝えるべきか)
  5. ターゲット顧客にどうやってホームページに来てもらうのか

これらが明確になれば、あとはそれを戦術に落とし込んでいくだけです。簡単そうに言っていますが、ここまで来れば、実際にそれほど難しい話ではありません。

冒頭で、戦略は「目的を達成するための大局的な計画」だと説明しました。それに対して戦術は、「戦略を実行するときに用いる個別の手段」のことを指します。

ここでは、ホームページのデザイン、コピー、コンテンツ、機能、動線設計などが「戦術」に当たります。つまり、戦略にふさわしいデザインやコピーなどを選択していけばいいのです。

ホームページの戦略と戦術
戦略を戦術に落とし込む

もし、戦略を何も立てずに、いきなり「デザイン」という戦術を考えようとすると、どんなデザインが良いデザインなのか、誰も判断できません。判断基準が何もないからです。

しかし、戦略さえ明確になっていれば、どんなデザインであるべきか、どんなコンテンツが必要か、どういう動線設計をするべきか、自ずと答えが見えてくるはずです。

ユーザー視点でもう一度考える

最後に注意点をひとつ。

戦略を考えるとき、出発点となるのはあくまでも「ターゲット顧客」です。ターゲット顧客の目線から競合はどう見えるのか、自社の商品はどう見えるべきなのかを考えていきます。

しかし、戦略のベースになっているのが「誰をどうしたいのか」という “企業側の目的” である以上、どうしても企業側の都合が優先された戦術(コンテンツや動線設計)になりがちです。

そのため、戦術を詰める段階まで来たら一度立ち止まり、改めてホームページを実際に閲覧するユーザー(訪問者)側の視点に立って考えるようにしましょう。“ユーザー側の目的” にもしっかりと応えるということです。

  • ユーザーはどんな情報を求めているのか
  • ユーザーはどんな行動を取りたいのか
  • 企業側のターゲットとは別にホームページに来るユーザーはいないか

これらを踏まえたコンテンツや動線の設計をすることで、“企業側の目的” と “ユーザー側の目的”、その両方に応えるホームページを作ることができます。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。戦略の重要性や戦略設計のステップをご理解いただけましたでしょうか?

最後に敢えてひと言でまとめるなら、ホームページの戦略設計とは、「ターゲット顧客が、数ある競合商品ではなく、自社の商品を選ぶ理由は何か?」を明確にすることだと思っています。デザインやコンテンツを考える前に、ぜひこの問いに向き合ってみてください。

繰り返しになりますが、戦略のないホームページは、成果を得られないどころか、自社のビジネスにマイナスのダメージを与えかねません。もしホームページを制作(あるいはリニューアル)しようと考えられているのであれば、まずは「戦略設計」に力を注ぐことを心からおすすめいたします。


中小企業のホームページ制作はシンスにお任せください

シンスでは、お客さまが納得のいくホームページ制作を心がけています。戦略設計に力を入れたプランもご用意しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。福岡県外のお客さまの場合は、Zoomなどのオンライン会議にて対応させていただきます。

〈 この記事を書いた人 〉

山下 侑一郎

マーケティング・プランナー山下 侑一郎

Webマーケティングの支援事業を行っているフリーランスのマーケター。シンスのマーケティング・パートナーとしても活動しています。
https://yamashitayuichiro.jp

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