こんにちは、福岡のホームページ制作シンス株式会社の越水です。
今、私たちが住んでいる福岡市が全国から注目を集めています。
様々なメディアの都市ランキングでも上位に入ることが増え、2016年にはMONOCLEの「世界で最も住みやすい都市ランキング」第7位、2017年には野村総合研究所による「成長可能性都市ランキング」第1位にも選ばれています。
福岡がなぜこれほど注目を集めるようになったのか、その理由をまとめた書籍をご紹介いたします。
それがこちらの『福岡市が地方最強の都市になった理由』という本。
これを読むと、いかに福岡が特異な地域戦略を持った都市かがわかります。
ここがすごい!福岡市!
本書では福岡市が移住者や企業を引き寄せている理由として、以下のような点をあげています。
- 人口増加、若者の人口が多い
- 教育機関も多い
- アジアNo.1の空港アクセス
- 職住近接で住みやすい
- 開業率、建設投資率No.1
- 国家戦略特区で今後も開発が続く街
こうしたポイントは過去、先人たちが選択・決断をしてきた成長戦略の結果です。
福岡市の成長において、どのような要因や歴史的背景があったのか、本書に書かれたものから印象に残ったものをいくつかご紹介します。
多様性とクリエイティブの街・福岡
福岡市の開業率は政令指定都市の中で第1位。
しかも25〜34歳の創業者が全体に占める割合においても、政令指定都市の中でトップです。
つまり、福岡は若者が起業しやすい街であると言えます。
また、福岡の産業構造はサービス業が9割を占め、外部からの企業誘致も積極的に行うことで新たなクリエイティブ・イノベーション関連企業の雇用が増えています。
こうした動きが他の産業にも波及し、活気あふれる産業の好循環を生み出しているといえます。
水源不足が起因となった福岡の街づくり
実は福岡は、「工業化に出遅れた」という過去を持つ都市でもあります。
八幡製鐵所で知られる八幡市(現・北九州市)や、三池炭鉱のある大牟田市が『殖産興業』の名のもとに成長していくのを横目に、水源が乏しい福岡は工場誘致に失敗してしまいます。
しかしそれが逆に、福岡の都市としての方向性を大きく変えることになります。
工業都市がダメならと、空路や鉄道による交通のハブ機能を持つ、九州の文化・教育の管理中枢都市として街づくりにつながっていくのです。
また、水源不足によってインフラ効率を追求した結果として、現在のコンパクトシティとしての福岡が形づくられたと書かれています。
ピンチをチャンスに変える街づくり、とても興味深いですよね。
ふくやによるオープンイノベーションで成長した産業
ITの世界にはオープンソース文化というものがあります。
エンジニアが作ったプログラムを公開することによって、他の人が再利用することを可能にし、技術の進歩を加速させようという取組みです。
面白いことに福岡の歴史においても、明太子のふくやが行ったオープンイノベーションの事例があります。
博多明太子を発明したふくやの創業者である川原俊夫氏は、なんと自社がせっかく生み出した明太子の作り方をすべて無料で公開したのです。
独占するのではなく、多くの人に参入させて産業そのものを大きく育て、それでも自分の店が一番うまいものを作り続ければ、必ず商売は繁盛する。そして独占しなかったその姿勢が、今日の明太子とその関連商品市場に生み出したのです。
福岡はITコミュニティが盛んで、常に様々な勉強会でエンジニア同士が知識交流を図っています。
もしかしたらこうしたオープンイノベーションが昔から根ざした地域なのかもしれません。
まとめ
今、福岡が全国から注目を集めているといっても、この環境が当たり前の方にとってはいまいちピンとこない話かもしれません。
今回ご紹介した書籍は、福岡の街に対する新たな視点を与えてくれる1冊です。
読んでみると、福岡の街に対する愛着がさらに増すかもしれません。
福岡の歴史や都市計画に興味がある方は、面白い本なのでぜひ読んでみてください!
それではまた!
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